植物を育てる上で最も重要なのは灌水です。植物はその体の大部分が水分でできています。
植物の種類によって違うけど、葉は80〜90%くらいが水分だって言われてるね
イチジクの挿し木にとっても同じことが言えます。そして挿し木の成否はこの灌水のやり方で決まると言っても過言ではありません。
たとえ理論上最高の用土に植えたとしても、水が多すぎれば雑菌が繁殖して腐ってしまうし、少なすぎれば当然乾燥して枯れてしまいます。
生かすも枯らすも水のやり方次第ということになります。責任重大…!
この記事では、灌水をなるべく失敗しないためのコツを紹介していきます。
私の失敗を糧に、失敗をしないように挿し木にチャレンジしてみてください。
灌水の頻度について
私は下にある記事でもまとめていますが、発根が確認できるまでは「3〜4日に1回」の頻度で灌水を行い、少し発根が進んでくると「5〜7日に1回」という形でやっていました。
このやり方で上手くいったかどうかは分かりませんが、17本を挿し木して7本が残りました。確率にすれば約40%です。
これが失敗なのか成功なのかはわかりませんが、「〇日ごとに1回」と決めてしまったのが成功率が40%になってしまった原因の1つだと思っています。
深く埋めてしまったり、用土の篩がけもしていなかったりと、お粗末な栽培環境なのもいけなかったのですが…
結論として、具体的に「〇日ごとに1回」といった灌水頻度は正解ではないと思っています。むしろ失敗の元なのだと感じています。
理由は、管理している容器の大きさや用土の種類によって乾き具合が変わってくるからです。
同じ1週間でも、青天時と悪天時では日中の気温や湿度が異なるので当然乾燥具合も変わってきます。この時に機械的に「1週間経ったから灌水しよう」とやってしまうと、もしかしたら過湿状態でカビてしまうかもしれません。
もし正解の指標があるとすれば「用土の水分量が〇〇%以下なら灌水」というパターンだと思います。
これなら常に一定のコンディションを確保することができるので、この〇〇%の設定が正しければ失敗の確率をグンと下げることができるでしょう。
実際の目安について
実際に自分がやっている挿し木ではどのくらいで灌水を行なっているかを確認していきます。
実際に質量を測って挿し木中の水分量を測っているわけではありませんが、以前行った用土の自然乾燥の実験から傾向を読み取っています。結果は次のとおりでした。
実験の結果はこちらでまとめています。
私が使用している用土は鹿沼土です。この鹿沼土は乾燥すると白く、湿っていると黄色になる性質を持っています。
上のグラフから鹿沼土を使った場合は144時間(6日)を経過すると水分量が75%を下回り、カップの上の1/4の色が白くなった状態になります。
私はこのタイミングを目安に灌水を行いました
発根が済んでいない状態であればこのデータは参考になるかもしれません。
もし水分量80%で灌水を行うのであれば5日、70%以下で灌水なら7日経過するとちょうど良いタイミングになります。当然その場所の温度や湿度で変化しますが11月頭の室内の環境ではこのようなデータが得られています。
発根していて上部にまで根が登っていない初期の状態であれば、6日経過すると上部は蒸発によって乾燥し、それより下の部分は根が水分を吸収するのでちょうど良いタイミングで灌水できるような形でした。
ぜひ自分なりの目安やタイミングを設定して、「〇〇したらこうなる」というような経験を蓄積していってみてください。
こういった挑戦が植物栽培の醍醐味なのだと思います。
一緒に灌水のタイミングをマスターして栽培技術を向上させましょう!
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