2022年も残すところ1ヶ月。挿し木をしてから37日目になりました。今年最後の闘いの記録をまとめていきます。
挿し木開始から3週間〜5週間をまとめた前回の記事はこちらに。
5週間経って7本発根し、2本が脱落してしまいました。
「もっと挿し木技術が高ければ、枯らさなかったかも…」と思うと悔しい!
発根が進んできているので、過湿による根腐れが怖いので灌水の感覚を1週間くらいにしています。
挿し木の状況とスケジュールについて
12月1日段階での穂木の成長状況は次のようになっています。
(※):落葉や展葉が進まず、元気がない状態
挿し木は1〜2ヶ月くらいはかかるものなので、変化がなくても枯れていなければ大丈夫なはずです。
まだ慌てるような時間じゃない…!
と思いたい。
ここで気になるのは※がついた『LSU Everbearing』と『Beer’s Black』と『Yellow Long Neck』の3つについてです。
最初から順調な様子でしたが、ここにきて落葉や葉や芽が萎れてきてしまいました。
根は元気そうな色をしていますが、内部で根腐れしてしまったのか展葉のスピードと吸水のバランスが崩れて休んでいるのかは不明です。
- 12/ 1灌水
- 12/6灌水
- 12/7『LSU Everbearing』、『LSU Gold』、『Beer’s Black』脱落
- 12/9『LSU Everbearing』、『Yellow Long Neck』、『Beer’s Black』脱落
- 12/12灌水。変化のない『Blanche d’Argenteuil』を検証。そして改造へ。
- 12/18『Blanche d’Argenteuil』全滅。『Champagne』不調。
『Schar Amber』と『Ponte Tresa』絶好調!
穂木の状態がよかったのか、管理の仕方が合っていたのかは分かりませんが不調な何株かを尻目に『Schar Amber』と『Ponte Tresa』はどんどんと成長していきます。
『Schar Amber』は展葉はそれほどでもないですが、根張りが非常に良い状態です。不安感を払拭するほどの安心感。
根が3本ほど地表まで出かけて、Uターンして土の中に戻ろうとしていました。
最初からすごかったけど、圧倒的な根量…!!
『Ponte Tresa』は発根はほどほどですが展葉がいい感じに進んでいます。葉の枚数も増え、見るからに元気そうです。
根の量はそれほどでもありませんが、これだけ葉が大きくなって水切れを起こしていないのを見ると吸水力は十分そうです。
元気そうではありますが葉の褪色が気になります。もしかしてFMV(イチジクモザイクウィルス)に罹っているのでしょうか。
まだ苗として安定していないから、こうなっているのだと信じたい…!
6本脱落…。だけど枯れる前兆と原因がわかりました
枯れてしまったのは残念ですが、共通点があったのでまとめていきます。
枯れた全ての穂木は上部から芽にかけてシワが発生していました。
この穂木を引き抜いて調べてみると全てカルスが発生した部分辺りからカビが生えていました。
これの原因を挙げると4つの理由が思いつきました。
- 穂木を殺菌・消毒をしていなかった
- カップの排水用の穴が小さくて少なかった
- カップが穂木に対して浅いサイズで、穂木が底に着いてしまった
- 排水させるためにラーメンの湯切りのようにカップを振って水切りしてしまった
それぞれの理由に対して考察していきます。
このような理由でせっかくの穂木を枯らしてしまったのだと思います。
特に2〜4番目は挿し木では失敗に直結する行為だと思うのでもう二度とやらないと決めました。
底に砂が溜まるのを防ぐために鹿沼土の粒の大きさを細粒から小粒に変えてもいいかもしれません。
鉢植えでの鉢底石の重要性がわかってしまいました
枯れた穂木が割れそうだったのでハンマーで叩いて割ってみました。
割ってみて分かったのは、イチジクの構造は竹によく似ているということです。
イチジク中には白い綿のようなスポンジ状の構造を持っているのですが、節ごとに区切られているようです。
画像では上の太い穂木の方がわかりやすいですが、節の部分には空洞がなく完全に仕切られた状態になっていることがわかります。
この「完全に仕切られた状態」なのに、気になる部分があったので拡大してみます。
本来は外界と接していないので、この黒い丸で囲んだ部分はカビが生えるはずがありません。当然割ってから生えたわけでもありません。
このことから考えられるのはカビが切断面から幹の内部を通って繁殖したということでしょう。
やはり断面の処理と水分管理が一層大事であることを再確認できました。
『Blanche d’Argenteuil』の生存確認〜そして改造へ〜
今まで全く動きのない『Blanche d’Argenteuil』を引き抜いてみました。
その結果がこれです。
特に腐った様子はありません。穂木の剪定部分が枯れるのは成長点がなので問題はありません。
ここで気になるのは底の部分がどうなっているのかです。
少し白い部分が減っていますが腐っておらず、状態は悪くないように感じます。
前の見出しでまとめた穂木の内部を侵食してくるカビが怖いので、ここで改造処置を施します。
何をするつもり!?
フッフッフ…!これを使わせてもらおう!
塗りました。
これで殺菌・防水対策が施されたので、本体を乾かないように湿ったキッチンペーパーで包んでトップジンが乾くのを待ちます。
発根に時間がかかる品種であれば、枯れるまでの時間を伸ばせば成功率が向上するはずです。
植物は枯れたいわけではないから、時間をかければいけるはず…!
1日かけて乾かした後、しっかりと付着している鹿沼土を洗い流して水挿しです。
今までは水挿しの成績は良くなかったのですが、この処置をしておけば改善するはず!
基本的に水挿しで腐るのは断面からで、幹が最初に腐ることは考えにくいので腐るよりも先に発根してくれることを期待しています。
『Blanche d’Argenteuil』が全滅…。不調株も発生
一番育てたかった品種の『Blanche d’Argenteuil』がダメになってしまいました。
結構保った方だとは思いますが残念。憧れの品種は中々振り向いてくれないみたいです。
相性が悪いのか、時期が悪いのか。それとも純粋に難易度が高いだけなのか。
どんな原因で枯れたのかはダメになった穂木に聞くしかないので永遠に分かりませんが、来年は栽培技術と知識を深めてリベンジしたいと思います。
もう苗を買った方が早いし、結果的に安上がりな気がする…
やはり自然界ではこれから休眠期に入るというタイミングでの挿し木は難しいということにしておきましょう。
ウトウトしている所を叩き起こされて、全力疾走させられる感じだと思えば大変
イチジクの生理的にシビアなタイミングということと、これからの寒さに対抗するために更なる加温もしないといけないので2つの意味で秋挿しの難しさを実感します。
これが自然の流れに逆らうってことなんだよね
『Champagne』に関しては元気よく転用していたのですが、ここにきて葉が萎れてきてしまいました。
展葉と発根のバランスがとれていない為の生理的なものであれば良いのですが、根腐れが原因でないことを祈るばかりです。
12/18日段階ではここまでの進捗です。進展があれば加筆していきます。
次はいよいよ2022年の締めに入ります。最終ラウンドはこちらから。
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