【実験No.001】用土の水捌けについて【培養土・鹿沼土の比較】

実験記録

水を撒いてから、各用土がどの程度の速さで水分が抜けていくのかを比較する。

使用する道具
  • プラカップ(380mL)
  • 培養土
  • 鹿沼土(細粒)
検証する用土について

A:培養土のみ
B:鹿沼土(細粒)のみ
C:培養土と鹿沼土(細粒)の混合用土(1:1)

左からA、B、C。Bは写真撮影後に均等に混ぜてから実験しています。
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実験手順

  1. プラカップの底面に、水が流れるようにキリで穴を開ける
  2. 3種類の用土(A〜C)を目盛り(約270mL)まで入れ質量を測る
  3. 用土と同量の水を散水する
  4. 水が垂れなくなるまで置いた後に質量を測る
  5. 24時間ごとに質量を測り、推移を確認する

実験結果

乾燥質量

A:134.42g
B:137.50g
C:132.75g

散水後質量

A:177.91g(+43.49g)、水分量43.49g(100%)
B:228.01g(+90.51g)、水分量90.51g(100%)
C:213.93g(+81.18g)、水分量81.18g(100%)

24時間後質量

A:174.59g(-3.32g)、水分量40.17g(92.36%)
B:224.86g(-3.15g)、水分量87.36g(96.52%)
C:211.68g(-2.25g)、水分量78.93g(97.23%)

48時間後質量

A:172.17g(-2.42g)、水分量37.75g(86.80%)
B:222.46g(-2.40g)、水分量84.96g(93.87%)
C:209.47g(-2.21g)、水分量76.72g(94.51%)

72時間後質量

A:168.56g(-3.61g)、水分量34.14g(78.50%)
B:218.43g(-4.03g)、水分量80.93g(89.42%)
C:205.73g(-3.74g)、水分量72.98g(89.90%)

96時間後質量

A:165.08g(-3.48g)、水分量30.66g(70.50%)
B:214.33g(-4.10g)、水分量76.83g(84.89%)
C:201.84g(-3.89g)、水分量69.09g(85.11%)

120時間後質量

A:160.90g(-4.18g)、水分量26.48g(60.89%)、表面はカラカラになっている
B:208.57g(-5.76g)、水分量71.07g(78.52%)、一部乾燥した色になる
C:196.73g(-5.11g)、水分量63.98g(78.81%)

144時間後質量

A:157.56g(-3.34g)、水分量23.14g(53.21%)
B:203.83g(-4.74g)、水分量66.33g(73.29%)
C:192.32g(-4.41g)、水分量59.57g(73.38%)

168時間後質量

A:154.49g(-3.07g)、水分量20.07g(46.15%)
B:198.99g(-4.84g)、水分量61.49g(67.94%)
C:187.89g(-4.43g)、水分量55.14g(67.92%)

実験まとめ

3種類の用土の中では、鹿沼土が最も保水量・保水性が高いことが分かった。

培養土は隙間の間に水を保持できるが最大値は少ない。鹿沼土は粒子本体が大量に吸水するが隙間が大きすぎて水を保持はできないという印象。

単体の吸水量で考えると60g程度しか吸水しないはずだが、混合用土は80g程の給水量になり、理論値を30%を上回る結果となった。

用土を混合すると、培養土に元々あった隙間に吸水力の大きい鹿沼土が配置されるので培養土単体で扱うよりも、はるかに吸水量が上昇するようになったと考えられる。

今回の実験により、「水捌けが良い」と「保水力がある」は全く別の要素であることが分かった。

水捌けは粒子間の隙間に溜まる停滞水に関しての要素であり、簡単に言えば「余分な水が抜けていく」能力。

最適な混合比率を求めることで、水捌けが良く保水性も高い用土を作ることも可能であるだろう。

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