2024年挿し木が初失敗!よくなるシワシワ現象に注意【LSU Hollier】

イチジク

2023年の末から穂木を入手したり、穂木を採取したりしてたくさんの挿し木を行いました。

その中で、今回失敗した株が出てしまったのが『LSU Hollier』です。

この品種は穂木として入手したので、なんとしても成功して欲しいところ…

親木がないのは全滅すると入手し直しだから辛いね

まず、穂木を入手したのが12月14日です。その後の1週間は水分量を回復させるために、水に浸けて管理しました。

挿し木の成功率と穂木の水分量には密接な関係があるらしいぞ!

給水完了後、切り分けを行って5株に分けました。

そのうちの4株はセルトレイ挿しに。残りの1株はそのまま水挿しで管理を行いました。

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いよいよ発芽!(入手から4週間後)

穂木を入手してからちょうど4週間。セルトレイに植えてから3週間は無事に過ぎてついに発芽まで漕ぎ着けました。

水捌けを重視した籾殻とバーク堆肥のブレンド用土と、併せてサーモスタットを25℃に設定して加温しているので順調に育っていました。

良い感じだね!

このブレンド用土にしてからは芽が動く前に枯れることがないので、かなりイチジクと相性はいいのかもしれません

軽くて安くて成功率高いなら文句ないね!

順調に見えるけど、実は…(入手から6週間)

手前の4株が『LSU Hollier』で、奥は別の品種です。

4株全ての芽が動き始めました。そのうちの2株から展葉が始まりました。これで最初の関門は突破した!と思うところですが…

お分かりいただけただろうか?

え、何?怖いんだけど…

この画像は順調そうに見えていますが、実は不調がすでに現れています。

この赤丸部分。シワシワしてきてる…

ホントだ…。芽も出てるし、これはそんなにダメなの?

シワシワになると体感的には100%助からない…

かなしみ

やはり失敗!2株脱落…(入手から7週間)

前の画像から6日後の状況です。

もっとシワシワになってるね

もうこれはダメだろうと思って、引っこ抜いてみました。

左側の枝では、断面の所に白いモコモコとしたカルスができていて傷を修復している途中であることが伺えます。

このことから左側の枝は挿し木をしてすぐにダメになったというわけではなく、しばらくは順調に生育していたはずです。途中までは良い感じだったのですが、6週間目に到達する前に雑菌が回ってしまったのか何かの不調が出てきてしまったようです。

考察:枯れた2株にはどんな原因があったのか?

ここまでの情報で、今回の枯れた2株の原因を考えていきます。

まず、考えられる要因をまとめてみます。

  • 穂木の状態
  • 用土
  • 水やりの頻度
  • 挿し木環境

主にこの4つが考えられると思いますが、それぞれを考えると次のようなプラスに働くものとマイナスに働くもの挙げられます。

これらの相互作用によって、今回の2株失敗という結果になったのだと思います。

プラスの影響マイナスの影響
穂木の状態鮮度:〇
購入品だが、すぐに枯れなかった。
穂木自体に問題は無い可能性が高い。
穂木の部位:△
失敗した枝は先端枝のため、
成熟不足や発根しにくい部位だった
可能性がある。
用土水はけ:〇
籾殻とバーク堆肥を半々。
成功実績があるので問題無し。
持続性:△
1ヶ月程経つと籾殻が水分と馴染んで
密度が高くなるので、根が出ていないと
多湿気味になってしまう。
水やりの頻度保湿:〇
乾燥しない状態を維持できた。
個別管理:×
他の挿し木と同時管理のため、
多湿気味になっていた可能性あり
挿し木環境独立環境:〇
セルごとに独立しているので、
全滅はしなかった。
加工:×
セルトレイの穴を増やさなかった。
失敗した枝は深く挿してしまった。

①:穂木の状態

最初に考えるのは穂木の状態についてですが、単独の原因としては最も可能性が低いと思います。

理由としては、もし穂木自体の状態が悪いのであればすぐにダメになるはずなのですが、6週間程度保っているのと、他の3株がダメになっていないので穂木の状態が悪いとは考えにくいと思います。

ただ、先端枝側の2本だったので他の挿し木に使ったものよりも成熟しきっていなかったことと、先端側の枝は発根しにくいという話もあるので、他の無事だった株に比べて中々根が出なかったことで多湿状態が続いてしまったことが原因の1つかもしれません。

②:用土

次に用土に関してです。

今回の挿し木で使った用土は籾殻とバーク堆肥をざっくりと半々で混ぜたものになります。

籾殻は最初は水を弾くので、これを混ぜ込むことでかなり水捌けを向上させることができます。また、最終的にイチジクが成長してきて、水分の要求量が増えてくるころには水分と馴染んで保水性の向上が見込めます。

しかし、1ヶ月くらい経つと籾殻が馴染んで保水性が上がります。この前に発根してくれるとスクスクと成長してくれるのですが、発根しないとこの保水性が仇になってしまうことが考えられます。

③:水やりの頻度

良く言えば乾燥しないように灌水を行うことができましたが、今年は100株以上の挿し木を行っているので、灌水を行うときは一気に全部やってしまうので最適なタイミングでは完遂を行うことはできませんでした。

管理する数が少なかったり、それぞれが鉢で独立していればある程度は水分量を確認しながらできるのですが、連結しているセルトレイに挿していることが裏目に出た結果だと思います。

こればかりは、多くの挿し木を一度にしているので仕方ないことだと思っています

④:挿し木環境

セルトレイは1つ1つ完全に仕切られているので、どれかがカビてダメになっても連鎖しにくくなっているのが良い点でした。

今回、セルトレイの加工の是非について考えていなかったのが反省点です。

セルトレイの構造上、灌水の際には同時になってしまうので、外側の比較的乾きやすいところと、内側の乾きにくいところが出てきてしまうので、それのケアをするべきでした。

キッチンペーパーを敷いて吸水効果によって余剰水分を外に出すとか、セルトレイの角にも穴を開けておくべきでした…

次回の教訓にしようね!

失敗した2株は長い枝だったため、深くに挿すことになってしまいました。

これが最も致命的なミスだったと感じています。以前の記事で使用した画像ですが、排水に関しては次のような関係性があると考えています。

今回の失敗したものは、右側の画像で言う所の水が溜まりやすい「危険地帯」の部分に枝の先端が入っていたので多湿状態が続いてしまったことが失敗の原因でしょう。

今回の失敗についてのまとめ

結論としては、この段落の最初に表でまとめたマイナスの影響の複合したものが失敗の原因であると考えています。

その中でも、キッチンペーパーを敷いて強制的に排水する工夫をせずに、挿し穂を深く埋めてしまったことが最大の失敗原因であると考えています。

今回は、何らかの加工することを失念していることから失敗に繋がってしまったので、次回以降にうっかり忘れないように、次のようなリストを頭の中に置いておこうと思います。

挿し木のチェックリスト
  • 挿し木の種類(土挿し or 水挿し)
  • 容器の種類(セルトレイ、プラカップなど)
  • 容器の加工(穴増設、切り込み、キッチンペーパーの敷き込みなど)
  • 培地の種類(用土の種類 or 培地の種類)
  • 灌水のタイミング(1週間に何回などの基準を設定)

その後の生存株の成長について(入手から9週間)

2株は枯れてしまいましたが、残りの3株は無事に成長しているのでそれぞれ見ていきましょう。

まずは水挿しの株からです。

順調に展葉が進んでいます。水挿しは水が常にあるので中々発根しないので、期待せずに様子を確認すると…

カルスではなく1本だけ発根していました!

これが伸びてしっかりと細根も出てきたら鉢上げをしていきたいと考えています。

予定としては3月中旬あたりを予想しています

次はセルトレイ挿しの2株だね!

こちらは葉がしっかりと大きくなってきたので、順調に育っていることが伺えます。

葉が重なってきているので少し早いとは思いますが、鉢上げをしました。

水挿しの方では発根を確認できているので、こちらも出ていると踏んで強気の鉢上げです

セルトレイから取り出してみると、それほどではありませんが複数本発根が確認できました。

8L程の鉢に植えて暖かくなったら外管理していきたいと思っています。

『LSU Hollier』確保の可能性が高くなったね!

また育ってきたらまとめていきたいと思います!

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