【2023年】育てて分かった!イチジク21品種から選ぶ5つのランキング②【豊産性・成長性編】

イチジク

前回の「味」と「満足度」の二項目の評価に続いてのランキングです。

評価項目
  • 満足度
  • 豊産性(今回の記事で紹介)
  • 成長性(今回の記事で紹介)
  • 総合

今回ランキングとして評価する品種は次にまとめる手持ちの21品種になります。

品種一覧

今年収穫済み(10品種)

・Beer’s Black
・Blanche d’Argenteuil
・Celeste
・Dalmatie
・Excel
・LSU Gold
・LSU Tiger
・Mary Lane
・O’rourke
・Schar Amber

今年未収穫(11品種)

・Alma
・Black Donov
・Col De Dame Noir
・Green Greek
・Izmir
・Magnifica Dry
・Michurinska-10
・Ponte Tresa
・Rezovska
・White Ischia
・桝井ドーフィン

今回の栽培面での評価項目は全ての品種からランキングを作成します

※今回のランキングは、入手や植え替え時期、肥料の濃度など完全に管理された同一環境での実験結果ということではありません。あくまで個人の感想として、今年の栽培結果ということになります。
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豊産性ランキング

前回のランキングでは味と満足度についてまとめましたが、栽培する上でかなり重要なのが「実を着けやすいかどうか」です。

イチジクとしては美味しいものを食べたいのは当然ですが、少ししか取れなかったり、収穫するまで何年もかかると少し寂しい気分になります。

そのため、たくさん実をつけることが可能な品種をピックアップしてまとめていきます。実際に個数を集計していないので体感になりますがご了承ください。

今回は収穫量ではなく、「実がたくさん着くか」で考えています。果実の重量はランキングに影響しませんで注意してください

第5位:Celeste

挿し木した1年目でもポコポコと実をつけたLSUシリーズの親として知られている『Celeste』がランクインです。実をたくさん着けるのですが、全ての節に着果するほどではありませんでしたので5位という順位です。

栽培してて感じたのは、落果が多いということです。実がたくさん着いた割には食べられるまでいかない物が結構ありました。

株が若くて安定しないのもありますが、猛暑の影響が多分にあると思いますので来年も検証してみます

第4位:Beer’s Black

4位は『Beer’s Black』です。

写真ではたくさん着いているようには見えませんが、春先の初期段階ではポツポツと身がつく程度でしたが、夏辺りから先端も含めてほぼ全ての節に着果する追い上げを見せました。

分枝した全ての枝で同じように着果したので、かなり豊産性は高い印象です。

ほぼ満点のような豊産性ですが、2段階に分けてドカッと着果するような感じだったので惜しくもベスト3を逃しました

第3位:Black Donov

ベスト3には『Black Donov』が登場です。

こちらもほぼ全ての節に着果する程の豊産性で下の方からどんどんと実が着いていくのが印象的でした。枝が伸びたら少し下から身が膨らんでくるというコンスタントに着果が確認できたのでかなり安定感がありました。

感覚的には「枝が伸びたら実を着ける」という理想的な成長をしたので、100点と言って良いほどの豊産性を持ちますが、これよりも上位と比べると少しお淑やかな雰囲気があったのでこの順位になりました

第2位:Blanche d’Argenteuil

第2位には私の推し品種である『Blanche d’Argenteuil』がランクインです。

写真を見ると圧巻の豊産性で、この2位からは異次元の着果率です。「実をつけられる部位ができたら着果。もう実を着ける場所がなくなったら仕方なく枝を伸ばす」というような雰囲気を感じました。

他の品種であれば、枝の付け根の部分を何節か空けてから着果させるのですが、この品種は低い位置の節からでもどんどんと実をつけていくので衝撃的でした。

芽吹も早く、着果も早い。かなり理想的な性質をもっている品種です。

個人的には文句なしで120点をつけられると思っています。着果に対するものすごい情熱を感じました

第1位:White Ischia

映えある豊産性部門の1位は『White Ischia』でした。

着果する時期としては2位の『Blanche d’Argenteuil』よりも遅いのですが、夏頃の成長が著しい時期になると1つの節から2つ着果するなど、とにかく着果数が多い品種でした。

果実が小さいので、枝をそこまで太くしなくても支えられる点からどんどん伸びてどんどん実を着けることができるのだと思います。

小振りではありますが枝の伸びやすさと着果率で堂々の1位です。これを超える品種は現れるのでしょうか、これからも楽しみです

成長性ランキング

次は成長性ランキングですが、何をもって「成長性」とするのかは難しいところです。

枝の長さ、太さ、分枝数…、色んな見方があるよね

本当は成長した枝の質量を測って比較できれば良いのですが、来年に作りたい樹形もあるので現実的ではありませんので、誤差が出るのを承知の上で体積で比較することにしました

今回は挿し木で増やした1年生苗として成長した株を対象として、全ての枝の一番下と上の太さと長さを測り、円錐台として扱うことで体積を求め、その数値を用いてランキングを作成します。

第5位:Dalmatie(739.7㎤)

a(上面半径)b(底面半径)h(高さ)V(体積)
0.65㎝2.05㎝122㎝739.7㎤

今年21種類栽培した中で5位にランクインしたのは『Dalmatie』でした。

生育の特徴としてはグングンと上に伸びていきます。葉の形も切れ長で風を受け流しやすい形なので、上に伸びる性質とマッチしている気がします。

上がシュッとした細さになっていますが、根本はしっかりと太くなっているので大きめな果実がついても十分支えているような印象でした。

第4位:LSU Gold(820.3㎤)

a(上面半径)b(底面半径)h(高さ)V(体積)
0.8㎝1.6㎝72㎝337.6㎤
0.95㎝1.9㎝73㎝482.7㎤

次は『LSU Gold』ですが、この品種はあまり高さは出ませんでしたが、特徴的なのは2本の枝が伸びて、どちらも上までしっかりと太く成長しました。

高さと太さの両方がバランスよく成長するので、丈夫でシッカリとした樹形に育ちやすい印象でした。

第3位:LSU Tiger(839.9㎤)

a(上面半径)b(底面半径)h(高さ)V(体積)
0.85㎝2.3㎝116㎝839.9㎤

育てていた中で最も太くなった品種の1つでした。

太くしっかりとした枝がスッと伸びていきましたが、真上に伸びるというよりかはやや横に寝るような広がる形で成長したので、一文字仕立てで杯状仕立てのどちらでも綺麗に作れそうな印象でした。

第2位:Ponte Tresa(1191.9㎤)

a(上面半径)b(底面半径)h(高さ)V(体積)
0.55㎝1.05㎝37㎝76.8㎤
0.55㎝1.2㎝42㎝105.6㎤
0.8㎝1.35㎝50㎝185.4㎤
0.6㎝2.3㎝112㎝824.1㎤

3位の『LSU Tiger』と並び最も太くなった品種で、ランクインした中で最も枝の数が多く育ちました。

分枝性が高く、樹勢も強位品種のようです。海外の品種ですが梅雨や寒暖差など(今年は特殊な環境でしたが)日本の気候にも適合する品種である可能性が高いです。

地植えにすると際限無く大きくなれるポテンシャルを秘めているかもしれません。鉢植えなので、来年の樹勢が少し落ち着いたあたりで着果も含めてどのような成長をするのかが楽しみです。

第1位:Mary Lane(1497.3㎤)

a(上面半径)b(底面半径)h(高さ)V(体積)
0.65㎝1.45㎝74.5㎝270.4㎤
1.1㎝2.25㎝134㎝1226.9㎤

1位に輝いたのは『Mary Lane』でした。

最も長い枝になり、上までシッカリと太く育ったので、1年しか育てていないのにかなり立派な苗になってくれました。長い枝だけでも1位を取れるほどの成長性を示してくれたので、かなり相性の良い品種だったことがわかりました。

その上、脇芽に関しても十分な成長があったので2位の『Ponte Tresa』も相当3位と差をつけていましたがぶっちぎりの成績を出した品種です。かなり成長性が高いので、早期に摘心して着果を促しつつ樹勢を抑えて栽培するのがベストな気がしがしますので、来年の栽培では早期摘心を心がけて栽培していきたいと思います。

総合ランキング

こちらにランキングの続きをまとめました。

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