イチジク栽培のQ&A〜水挿し編〜

イチジク

水挿しのどんな問題に対してどんな対応をしたかをメモした記事です。
専門家としての知見は一切ありません、経験の蓄積のためです。
記事の内容を活用する場合は自己責任でお願いします。ご注意ください。
随時加筆していきます。

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カルスの発生しやすい位置を見て水量を決めよう!

イチジクには根の元にもなるカルスが発生しやすい部位が決まっているので、そこが水に浸かるようにしましょう。

具体的には下の画像の赤丸で表した部分になります。

カルスが出やすい部分は節の周りに多く分布しており、幹の部分よりも早く・多く出る傾向があります。

そのため、1節以上を水につけることが挿木を成功させる一歩だといえると思います。

実物を使っての例をまとめてみます。

左の穂木は赤丸の部分からカルスが発生しやすい状態になっています。

上に節(芽)を2つ、水中に節を2つ沈めるとバランスが良さそうなので、波線で示した部分まで浸かるようにすると良いと思います。

穂木を腐らせたくない!これを解決するとっておきの裏ワザ

水挿しで穂木がダメになる理由で一番多いのは腐らせてしまうことでしょう。

毎日水を変えてもなる時はなってしまうようなので避けては通れない道なのかもしれません。

どうにか良い方法はないの?

色々と探した結果、もしかしたら上手くいくかもしれない方法を見つけました。

やり方は簡単です。腐りやすい穂木の底の部分を保護材で覆ってしまえば良いようです。

この方法はブドウの挿し木で利用されているようですが、イチジクにも転用できるのではないかと思い、試してみたら良さそうだったので奥の手として紹介しておきます。

実際にやってみましたが、調子は良さそうです

上手くいかなかった穂木の底の部分にトップジンMペーストを塗って固めました。

水につけると少しふやけて色も抜けていってしまいましたが、ちゃんと保護はできていそうでした。

これをやると水が吸えなくなっちゃうんじゃないの?

最終的に植物が水を吸うためには根が必須になってきますが、最初のうちはあまり関係ないと思います。

展葉していない状態であれば光合成をしないので水分を消費すること自体が少ないので、少しくらい水分が吸えなくてもすぐに枯れることにはなりません。

発根しないと吸水が物理的にできないから、良い発根刺激になるかもしれません

挿し木の初期の状態は成長を満足に行えないので、カビや菌などへの外部からの脅威への対抗手段をも十分備わっていません。

切断面が露出していると穂木の内部も外と繋がっていることになるので、かなり危険な状態と言えるでしょう。

そこで、穂木の底をガードすることで穂木の内部と外部を遮断することが可能になり生存力が向上することになります。

穂木全体がカビたり腐ったりするリスクを激減できるので、水を定期的に替えてあげるだけで発根をじっくり待つことができると思います。

水挿し中に幹からモヤモヤしたものが出てる…?

もしかしたら雑菌が繁殖したバイオフィルム的なものかもしれません。

流水か手で優しく擦って取れれば、あまり気にする必要はありません。

何回か対処すると出てきにくくなりましたので、やはり雑菌が原因な気がします。

「モヤモヤの発生→必ず枯れる」という訳ではないです。

まだ試したことはないですが消毒をすることで発生を抑えるか、(個人的に最強の菌だと思っている)納豆菌を混ぜた水で挿木をすると納豆菌以外の菌の繁殖を抑制できる気がします。

気になるので次に水挿しをする時に実験をしてみます

水換えの頻度はどのくらいが適切なの?

最初は前述のモヤモヤしたものが出てきやすいので、それを落としつつ毎日水を変えていくのがいいでしょう。

「腐敗菌の繁殖 = 腐る」ということなので、菌が増えないように水を交換するのが効果的です。

水挿しは水切れの心配がないのは良いけど、ちょっとめんどくさいよね…

数日間水を変え続けていると次第にモヤモヤとしたものが出にくくなってくるので、そうなったら2〜3日に1回と頻度を下げても大丈夫そうです。

重要なのは菌の繁殖を抑えることなので、使う水はミネラルウォーターではなく塩素の含まれている水道水を使いましょう。

もしかしたらハイターを薄めた水で管理したり、エアレーションをしたりすれば水交換の頻度を激減させることができるかもしれません。

こちらも実験する予定です。2〜3月ごろに穂木を採取したら色々試してみます!

水挿ししていたら幹の中心の白い部分の色が変わった!

①透明になっている場合

透き通っているなら大丈夫!

ちゃんと水が浸透している証拠だと思うので、油断せずに定期的な水換えを頑張りましょう。

②濁った色をしている場合

茶色など濁った色をしているなら腐っている可能性が高いです。穂木を触ってみてフニャフニャしていたら覚悟したほうがいいかもしれません。

もし穂木の長さにまだ余裕があるなら、ダメになった部位を切除すれば復活する可能性があります。

挿し木成功の秘訣とは?

晩秋〜冬にかけての行う挿し木には特に注意が必要です。

本来であればイチジクとしては休眠期に入るため発芽や発根などをせずに冬越えの準備をしている状態です。

そんなタイミングで挿し木をするのは本来自然の流れには反しています。

寒くなる時期で挿し木をしてみて成功の秘訣がわかりました。

なにそれ、どうすればいいの?

それはイチジクを「春だと錯覚させて騙し続ける」ということです。

え…、ひどくない?

これはあたかも春に挿し木されているようにイチジクに錯覚させることで、ストレスなくスムーズに発根・展葉を促すことができるようになります。

そのために加温による温度管理が必要なので、ヒーターマットや簡易温室などを用いて温度が下がりすぎないようにしなければいけません。

イメージとしてはこんな感じでしょうか。

〜12月〜

最高温度は20℃位で、最低温度は10℃を下回らないように調整しとこう

あれ?もう4月みたいな温度だな。そろそろ芽吹いとこうかな?

発根と展葉もしたよ!頑張って大きくなるよ!

こっそり最高と最低温度が高めにに設定しておこう

〜4月〜

体は結構しっかりしてきたよ!暖かくなったし6月くらいかな?

もうそろそろ夏だから実をつける準備もしていかないとなー。

4月になったから外に植え替えるね!

え…今は4月?嘘でしょ?騙されてたの?

計画通り!!

植え替えて初めて気付いたくらいのイメージで温度管理などをするのが、自然に反したタイミングで挿し木をするときに心がけることでしょう。

上手く管理しないと行けないので難易度は高いですが、それでも挑戦するに値するメリットがあります。

それが一年目からでも実を十分につけられるかもしれないということです。

品種の特定や味を楽しむことができるのは大きい!

4月の段階で既にスタートダッシュを切れているので、春挿しの株と比べるとしっかりと育った状態で夏を迎えられます。

そうなると光合成の量も増えるので、最終的な成長が段違いになりますので是非試してみてください。

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