イチジク栽培を始めてもう少しで1年になりますが、私にとっては挿し木が最大の関門でした。
詳しくはこちらにまとめていますが、秋のプラカップでの挿し木成功率は約40%とあまり良くない結果でした。
その対策として水挿しを行うことにしましたが、普通の水挿しでは頻繁に水を交換しないといけません。
水の交換を怠ると雑菌などが土挿しよりも繁殖しやすいというのが問題です。より手間がかかってしまうのが水挿しのネックでした。
育てたい品種が枯れていくのを見るのはダメージが大きく、どうにか手間を省きながら成功率を上げる方法がないかと模索していました。
水挿しは発根させやすそうだけど、毎日水換えをしないとカビさせちゃうしなー。ある程度放っておける管理方法なんてないよなー
しかし管理人に電流走る…!
ここで思いついたのが次の2点です。
- 100倍に薄めた台所用漂白剤で殺菌をしながら水挿しをする
- エアレーションを行い、水流を作ることによって雑菌の繁殖を抑制しながら水挿しをする
失敗率を下げる台所用漂白剤か、成功率を上げるエアレーションで天秤にかけました。
選ばれたのはエアレーションでした
そこで早速装置の作成を行いました。
試作器:エアレーション水挿しver.1.0
まず最初の試作器として作成したのがこちらです。
すごく「それっぽい」ね…!
使用している道具はこちら。
- 魚観察用ケースロングサイズ(Seria)
- エアチューブ(Seria)
- 名札(Seria)※水挿し時は名札を立てかけたかったのでDAISOの物に変更
- ソフトタイ(Seria)
- エアーポンプ(Amazon)
- エアストーン(Amazon)
- エアチューブコネクター(Amazon)
- 底面給水トレイ(カインズ)
挿し穂をソフトタイで縛り、一つ一つケースにひっかけられるようにフックの構造を作りました。
挿し穂1本あたり切って着けてで30秒くらいかかるので、ちょっとめんどくさい(小声)
全体的にソフトタイを長く切りすぎてしまいましたが、100円で1つのソフトタイを買えば、挿し穂37本分は余裕で作れる分量でした。
これで週に1回の水換えで管理いていくことにしました。普通の水挿しよりも手間が激減!めでたしめでたし…
…とはなりませんでした
この試作器には難点がいくつもあったのです
約2週間後。つまり水換えを2回したあたりで気付いてしまいました。
挿し穂が独立してるから水換えと容器を洗う時に置き場に困る…‼︎
まだ発根していないから、そのまま容器の端に押し込んでまとめて押さえておくことが可能でした。
発根してしまうと水換えのたびに根を折る危険性が付き纏います。
早急な対策が求められました。
改良型試作器:エアレーション水挿しver.1.1
ここで、ver.1.0の難点である
- 挿し穂が独立している
- ソフトタイを切って結ぶのが大変
という2つを克服するべく新たな方法を考えました。
設置が面倒で独立した構造になっちゃうソフトタイを使わずに、まとめてしまえばいい!
これを使います。
猫避け用のマットとビニールタイです。
マットのトゲトゲで容器に引っ掛けて、挿し穂をビニールタイで縛れば完成です。
これで一括管理が可能になり、ソフトタイを切る手間の削減と縛るだけという作業の簡略化を図りました。
こんな感じ猫避けマットを切ってできた輪の中に挿し穂を入れて縛っています。
慣れれば1本あたり15秒あればできるので、1セット2〜3分くらいと作業時間も激減しました。
実際に測ったんだね…
やることがシンプルだったから、つい
この作業時に発根を確認しました!エアレーション水挿し開始から16日目のことでした。
YATTA‼︎
喜びも束の間。また問題が発生します。
なんか、水がすぐになくなっちゃうよ?
え゛
容器の水漏れかと思ったのですが、そうではありません。
理由は簡単でした。エアレーションのブクブクで水が容器の外に飛び散ってしまっていたのです。
エアレーションをすればするほど容器内の水が減っていくという悪循環。
ここにきて水耕栽培ではちゃんとした蓋を使っていたので気にしたことは無かった問題が立ちはだかりました。早速対策を考えることに。
水挿しをするために、結果的にはアクアリウムの勉強をすることになりました
また、この栽培器にはもう一つ問題がありました。
挿し木の品種が多くなったり、数が多くなったりするとキャパオーバーになってしまうということです。挿し木が成功して株が増える来年では手がつけられなくなってきます。
次は大きい容器を使わないとダメだね!
第二世代:エアレーション水挿しver.2.0
問題発覚から4日後。基本構造を一新した新世代器がついに爆誕です!
前回の問題点である、飛沫と手間の問題を見事に解決しました。
今回は2層構造になっているので、挿し穂を縛らずに立てかけるだけでエアレーション水挿しが可能になります。
猫避けマットを切ったり、ビニールタイでしばったりなどの面倒な手間は一切ありません。
ver.1から考えるとすごく便利!
使う材料はこちら
包丁用水切りで革命が起こりました
包丁用水切りが絶妙な高さで収納ケースに取り付けられるので、挿し穂が水に浸かりすぎない位置をキープできます。
また、写真立てを用いることによってエアレーションの際に発生する水しぶきを受け止め、容器内へ戻すことが可能になりました。
これで24時間のエアレーションを行っていても水が蒸発と吸水以外で変化することがないので、より安定して水挿しを続けられるように。
もうこれで完成?
まだだ!まだ終わらんよ!
実はこの栽培器には改善点が残っており、写真立てとエアーストンの位置調節が少し難しいという点です。
写真立ては包丁水切りの段差に差し込む形で固定しているので安定感がないわけではないですが、エアーストーンの位置をうまく調整しないと、気泡が写真立ての外側で発生してしまうことがあります。
致命的な問題ではありませんが、ストレス源は無ければ無いほど良いので、次はこの難点を解消していきます!
塩ビ管をプラス!:エアレーション水挿しver.2.1
塩ビ管を加工したこいつを追加することで更なる高みへ行ける!
…はずだった。
ヤッチマッタ…
Oh…
これ以上手を加えると成長途中の挿し穂の根を更にバキバキに折ってしまいそうなので改良は中断。
この水挿し器の最大の弱点は根が伸びてくると、引っかかって折れる可能性があるというところです。
結構致命的じゃない?
発根までの管理なら便利だから、存在価値はあるよ…(遠い目)
この栽培器は根が伸びてしまうと途端に弱点まみれになってしまうので、大量に発根直前まで持っていくのに使うのが良さそうです。
シンデレラフィットな出会い:エアレーション水挿しver.3.0
通算で5作目の水挿し器になりました。
今度はさらに利便性の向上と育苗まで見据えた装置の開発を目指しました。
Seria産のスタッキングボックスとDAISO産のブリッジバスケットと仕切り板を合体!
なんということでしょう…!
ピッタリ!!
これに挿し穂をイン!
この仕切り板のおかげで多少根が伸びても板に押し返されて根鉢のようなものを作れそうになりました。
これでしばらく水挿しをしてみて効果を確かめてみます!
オレは ようやく のぼりはじめた ばかりだからな
この はてしなく遠い 水挿し坂をよ…
〜続く〜
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